
こんにちは!東京・葛飾で四代続く老舗八百屋「FOOD PLACE ITO伊藤商店」の野菜ソムリエ、Mrs. Yukoです。
新鮮で美味しい野菜を皆さんにお届けすることをモットーに、栄養たっぷりのレシピや食べ方をご紹介させていただきます。
夏野菜の代表格の一つ「オクラ」!緑色の美しい色合いと、独特のネバネバ食感が特徴的な野菜です。「ネバネバ成分は体に良い」とよく言われるように、オクラは栄養価の高い優秀な野菜として注目されています。でも、美味しいオクラの見分け方や正しい調理法って意外と知らない方が多いんですよね。
今回は、葛西市場で仕入れるプロの目線から、美味しいオクラの選び方を徹底解説します!保存方法や栄養価、そして絶品レシピまで、オクラの魅力を余すところなくお伝えします。オクラの歴史についても触れていきますので、ぜひ最後までお付き合いください!
これで間違いなし!美味しいオクラの選び方
葛西市場に毎朝通う中で培った、プロの目線からオクラの選び方をお教えします。
表面の状態
新鮮なオクラは、表面に細かい産毛がびっしりと生えていて、鮮やかな緑色をしています。指で軽く触れてみて、ハリがあるものが良品です。表面がしわしわしていたり、色が黄色っぽくなっているものは鮮度が落ちています。また、傷や黒ずみがないかもチェックしましょう。
大きさと硬さ
オクラは大きすぎると硬くなってしまうため、長さ5~8cm程度のものが理想的です。太さは均一で、軽く押してみて適度な弾力があるものを選びましょう。極端に太いものや細いものは避けましょう。
ヘタの状態
ヘタが鮮やかな緑色をしていて、しっかりしているものが新鮮です。ヘタが茶色く変色していたり、乾燥しているものは収穫から時間が経っています。また、ヘタの周りに黒ずみがないかも確認しましょう。
重さと密度
サイズの割にずっしりとした重みがあるものが良品です。軽いものは水分が抜けている可能性があります。また、軽く握ってみて、中身が詰まっている感触のものを選びましょう。
形の確認
まっすぐで五角形の断面がはっきりしているものが理想的です。極端に曲がっているものや、形が不揃いなものは避けましょう。
品種別の特徴と選び方
オクラにも様々な品種があり、それぞれ特徴と最適な調理法が異なります:
一般的な緑オクラ

- 特徴:最も一般的な品種で、適度な粘りと食感
- 選び方:長さ5~8cm、鮮やかな緑色のもの
- おすすめ料理:おひたし、炒め物、天ぷら
赤オクラ

- 特徴:赤紫色の美しい色合い、加熱すると緑色に変化
- 選び方:色が濃く、表面にツヤがあるもの
- おすすめ料理:サラダ、マリネ、彩りを活かした料理
丸オクラ

- 特徴:断面が丸く、柔らかい食感
- 選び方:形が整っていて、産毛が均一なもの
- おすすめ料理:煮物、スープ、カレー
白オクラ

- 特徴:淡い緑色から白っぽい色合い、上品な味
- 選び方:色が均一で、傷のないもの
- おすすめ料理:和え物、吸い物、高級料理
ミニオクラ

- 特徴:小さめサイズで、柔らかく食べやすい
- 選び方:長さ3~5cm、産毛がしっかりしているもの
- おすすめ料理:そのまま茹でて、サラダ、お弁当
オクラの保存方法
オクラは温かい地域の野菜のため、低温に弱い特徴があります。正しい保存方法で美味しさを保ちましょう。
常温保存
オクラは10℃以下の環境では低温障害を起こすため、基本的には常温での保存が適しています。直射日光を避け、風通しの良い場所で保存しましょう。
冷蔵保存
冷蔵庫で保存する場合は、ペーパータオルで包んでから保存袋に入れ、野菜室で保存します。温度設定を高めにして、低温障害を防ぎましょう。
下茹での保存
さっと茹でて冷ましてから冷蔵保存すると、3~4日は美味しく食べられます。使う時は軽く温め直すか、そのまま料理に使用できます。
冷凍保存
オクラは冷凍保存も可能です。さっと茹でて冷ましてから冷凍します。解凍後は汁物や煮物に使用できます。
保存期間の目安
- 常温:2~3日
- 冷蔵:4~5日
- 下茹で後冷蔵:3~4日
- 冷凍:1ヶ月程度
オクラの栄養と健康効果
オクラは低カロリーでありながら、様々な栄養素を含んでいます。
成分名 | 値 | 単位 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
廃棄率 | 15 | % | ||||
エネルギー | 26 | kcal | ||||
107 | kJ | |||||
水分 | 90.2 | g | ||||
た ん ぱ く 質 | ||||||
アミノ酸組成によるたんぱく質 | 1.5 | g | ||||
たんぱく質 | 2.1 | g | ||||
脂 質 | ||||||
脂肪酸のトリアシルグリセロール当量 | (0.1) | g | ||||
コレステロール | Tr | mg | ||||
脂質 | 0.2 | g | ||||
炭 水 化 物 | 利 用 可 能 炭 水 化 物 | 利用可能炭水化物(単糖当量) | 1.9 | g | ||
利用可能炭水化物(質量計) | 1.9 | g | ||||
差引き法による利用可能炭水化物 | 2.2 | g | ||||
食物繊維総量 | 5.0 | g | ||||
糖アルコール | – | g | ||||
炭水化物 | 6.6 | g | ||||
有機酸 | 0.1 | g | ||||
灰分 | 0.9 | g | ||||
無 機 質 | ナトリウム | 4 | mg | |||
カリウム | 280 | mg | ||||
カルシウム | 92 | mg | ||||
マグネシウム | 51 | mg | ||||
リン | 58 | mg | ||||
鉄 | 0.5 | mg | ||||
亜鉛 | 0.6 | mg | ||||
銅 | 0.13 | mg | ||||
マンガン | 0.48 | mg | ||||
ヨウ素 | Tr | μg | ||||
セレン | 0 | μg | ||||
クロム | 0 | μg | ||||
モリブデン | 6 | μg | ||||
ビ タ ミ ン | ビ タ ミ ン A | レチノール | (0) | μg | ||
α−カロテン | 2 | μg | ||||
β−カロテン | 520 | μg | ||||
β−クリプトキサンチン | 1 | μg | ||||
β−カロテン当量 | 520 | μg | ||||
レチノール活性当量 | 44 | μg | ||||
ビタミンD | (0) | μg | ||||
ビ タ ミ ン E | α−トコフェロール | 1.2 | mg | |||
β−トコフェロール | 0 | mg | ||||
γ−トコフェロール | 0.2 | mg | ||||
δ−トコフェロール | 0 | mg | ||||
ビタミンK | 66 | μg | ||||
ビタミンB1 | 0.09 | mg | ||||
ビタミンB2 | 0.09 | mg | ||||
ナイアシン | 0.8 | mg | ||||
ナイアシン当量 | 1.2 | mg | ||||
ビタミンB6 | 0.10 | mg | ||||
ビタミンB12 | (0) | μg | ||||
葉酸 | 110 | μg | ||||
パントテン酸 | 0.42 | mg | ||||
ビオチン | 6.6 | μg | ||||
ビタミンC | 11 | mg | ||||
アルコール | – | g | ||||
食塩相当量 | 0 | g |
オクラのネバネバ成分の正体は?
オクラの特徴的なネバネバの正体は、水溶性食物繊維や糖タンパク質などからなる複合的な成分です。
オクラのネバネバ成分は、私たちの健康に次のような効果をもたらします。
- 胃粘膜の保護
- 消化吸収の促進
- 血糖値の上昇抑制
- 疲労回復効果
食物繊維
100gあたり5.0gの食物繊維を含み、腸内環境を整える効果があります。便秘解消や血糖値の安定化に役立ちます。
βカロテン
強い抗酸化作用を持つβカロテンが豊富に含まれています。体内でビタミンAに変換され、目の健康や免疫力向上に効果があります。
ビタミンK
骨の健康維持に重要なビタミンKが豊富です。カルシウムの吸収を助け、骨粗鬆症予防に効果があります。
葉酸
細胞分裂に必要な葉酸を含み、特に妊娠中の女性に重要な栄養素です。貧血予防にも効果があります。
カリウム
体内の余分なナトリウムを排出し、高血圧予防やむくみ解消に効果があります。夏バテ防止にも重要な栄養素です。
低カロリー
100gあたり30kcalと非常に低カロリーで、ダイエット中の方にもおすすめです。
オクラの歴史
オクラには興味深い歴史があり、世界各地で愛され続けています。
- 原産地と伝来
- オクラの原産地はアフリカ北東部とされ、古代エジプトでも栽培されていました。日本には明治時代初期(1880年代)にアメリカから伝来しました。
- 日本での普及
- 当初は「アメリカネリ」と呼ばれ、主に関西地方で栽培が始まりました。戦後になって全国に普及し、現在では夏野菜の代表格となっています。
- 世界での位置づけ
- オクラは世界各地で栽培されており、特にインド、中東、アフリカ、アメリカ南部では伝統的な食材として親しまれています。
- 現代の品種改良
- 昭和時代以降、品種改良が進み、現在では様々な色や形のオクラが開発されています。近年では、機能性成分を高めた品種も開発されています。
文化的意義
オクラは「夏バテ防止の野菜」として日本の食文化に定着し、健康志向の高まりとともに注目度が増しています。
絶品!オクラを使ったおすすめレシピ
1. オクラの胡麻和え

材料(2人分)
- オクラ:10本
- 白すりごま:大さじ2
- 砂糖:小さじ1
- 醤油:大さじ1
- だし汁:小さじ1
- 塩:少々
作り方
- オクラは塩で板ずりし、熱湯で2分茹でます。
- 冷水に取り、水気を切って輪切りにします。
- 白すりごま、砂糖、醤油、だし汁を混ぜ合わせます。
- オクラと和えて完成です。
オクラのネバネバ成分とゴマの香りが絶妙にマッチした、夏にぴったりの一品です。
2. オクラとトマトのカレー炒め

材料(2人分)
- オクラ:15本
- トマト:2個
- 玉ねぎ:1/2個
- ニンニク:1片
- 生姜:1片
- カレー粉:大さじ1
- 醤油:大さじ1
- 塩:少々
- オリーブオイル:大さじ2
作り方
- オクラは塩で板ずりし、斜め切りにします。
- トマトは一口大に切り、玉ねぎは薄切りにします。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、ニンニクと生姜を炒めます。
- 玉ねぎを加えてしんなりするまで炒めます。
- オクラを加えて2分炒め、カレー粉を加えます。
- トマトを加えて軽く炒め、醤油と塩で味を調えて完成です。
スパイシーでヘルシーな一品。オクラのネバネバ成分がカレーの辛さをマイルドにしてくれます。
他にお好きな具材を入れてもよいですね。
3. オクラの肉巻き

材料(2人分)
- オクラ:12本
- 豚バラ肉(薄切り):200g
- 塩こしょう:少々
- 小麦粉:大さじ2
- 醤油:大さじ2
- みりん:大さじ2
- 酒:大さじ1
- サラダ油:大さじ1
作り方
- オクラは塩で板ずりし、ヘタを取ります。
- 豚バラ肉でオクラを巻き、塩こしょうをします。
- 小麦粉をまぶし、フライパンで焼きます。
- 全体に焼き色がついたら、調味料を加えて煮絡めます。
- 器に盛り付けて完成です。
オクラの食感と豚肉の旨みが絶妙な組み合わせ。お弁当にもぴったりです。
オクラの下処理テクニック
美味しいオクラ料理を作るためには、適切な下処理が重要です。
板ずり
オクラに塩をまぶしてまな板の上で転がす「板ずり」は、産毛を取り除き、色鮮やかに仕上げる効果があります。
ヘタの処理
ヘタの先端を少し切り落とし、周りの硬い部分を面取りすると、食感が良くなります。
茹で時間の調整
オクラは茹ですぎると食感が悪くなるため、2~3分程度のさっと茹でがポイントです。
輪切りのタイミング
ネバネバ成分を活かしたい場合は、生のうちに切ってから調理します。食感を残したい場合は、茹でてから切ります。
伊藤商店でオクラを手に入れて、夏の食卓を健康に彩ろう!
オクラは夏の食卓に欠かせない栄養豊富な野菜。そのまま茹でても、炒めても、煮ても美味しく、様々な料理に活用できます。葛西市場で培った目利きの技術で選んだ、最高品質のオクラをぜひお試しください。
夏の暑さに負けない、栄養豊富で美味しいオクラで、皆様の食卓がより健康的になることを願っています。調理法に迷ったら、いつでもお気軽にお声かけください!
最後までお読みいただきありがとうございました。また次回の夏野菜レポートもお楽しみに!