
こんにちは!東京・葛飾で四代続く老舗八百屋「FOOD PLACE ITO伊藤商店」の野菜ソムリエ、Mrs. Yukoです。
新鮮で美味しい野菜を皆さんにお届けすることをモットーに、栄養たっぷりのレシピや食べ方をご紹介させていただきます。
夏の暑い日に食べたくなる野菜といえば「キュウリ」!シャキッとした歯ごたえと、みずみずしい食感が暑さで疲れた体を癒してくれます。「キュウリは栄養がない」なんて言われることもありますが、実は夏バテ防止にとっても効果的な野菜なんです。
今回は、新鮮なキュウリの選び方から保存方法、意外と知られていない栄養価、そして夏バテ解消に効果的なレシピまで、キュウリの魅力を徹底的にお伝えします。キュウリの歴史についても触れていきますので、ぜひ最後までお付き合いください!
新鮮なキュウリの選び方
美味しいキュウリを選ぶコツは、見た目と触感を確認することです。以下の5つのポイントを押さえましょう:
色艶
新鮮なキュウリは、鮮やかな緑色をしています。色が濃すぎて黒っぽいものや、黄色っぽく変色しているものは避けましょう。表面にツヤがあり、キラキラと光って見えるものが理想的です。
太さと形
太さが均一で、まっすぐな形のものを選びましょう。曲がっているものは成長過程で栄養不足だった可能性があります。また、極端に太いものは種が大きく育ちすぎて食感が悪くなることがあります。
重さとハリ
手に持ったときに、サイズの割にしっかりとした重みがあるものが良品です。軽いものは水分が抜けて鮮度が落ちています。また、皮にハリがあり、指で押してもへこまないものを選びましょう。
イボの状態
キュウリの表面にあるイボ(とげ)がしっかりと立っているものが新鮮です。イボが取れやすいものほど新鮮で、時間が経つとイボは取れてしまいます。触ったときにチクチクするくらいのものが理想的です。
ヘタの確認
ヘタの切り口が新しく、みずみずしいものを選びましょう。切り口が茶色く変色していたり、乾燥しているものは収穫から時間が経っている証拠です。
品種別の特徴と用途
キュウリにも様々な品種があり、それぞれ特徴が異なります:
一般的な品種

- 白イボキュウリ:最も一般的な品種で、サラダや漬物に最適
- 黒イボキュウリ:皮が厚めで歯ごたえが良く、煮物にも使える
- 四葉キュウリ:昔ながらの品種で、香りと味が濃厚
特殊な品種

- ミニキュウリ:一口サイズで、お弁当や付け合わせに便利
- 加賀太キュウリ:金沢の伝統野菜で、太くて煮物に最適
- 相模半白キュウリ:神奈川県の伝統野菜で、白と緑のコントラストが美しい
キュウリの保存方法
キュウリは意外にデリケートな野菜。正しい保存方法で美味しさを保ちましょう:
基本の保存方法
キュウリは冷やしすぎると低温障害を起こすため、冷蔵庫の野菜室(5~7℃)での保存が理想的です。新聞紙やキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて立てて保存します。
立てて保存する理由
キュウリは畑で縦に成長するため、横に寝かせて保存すると起き上がろうとしてエネルギーを消費し、味が落ちてしまいます。牛乳パックを切って立てて保存すると便利です。
部分保存の方法
使いかけのキュウリは、切り口にラップをしっかりと巻いて冷蔵庫で保存します。2~3日以内に使い切るようにしましょう。
長期保存の方法
大量にある場合は、薄切りにして軽く塩もみし、水気を絞って冷凍保存できます。サラダには向きませんが、スープや炒め物に使えます。
保存期間の目安
- 丸ごと:1週間程度
- カット済み:2~3日
- 冷凍:1ヶ月程度
キュウリの栄養と健康効果
「キュウリは水分ばかりで栄養がない」と思われがちですが、実は夏バテ防止に効果的な栄養素がたくさん含まれています:
成分名 | 値 | 単位 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
廃棄率 | 2 | % | ||||
エネルギー | 13 | kcal | ||||
55 | kJ | |||||
水分 | 95.4 | g | ||||
た ん ぱ く 質 | ||||||
アミノ酸組成によるたんぱく質 | 0.7 | g | ||||
たんぱく質 | 1.0 | g | ||||
脂 質 | ||||||
脂肪酸のトリアシルグリセロール当量 | Tr | g | ||||
コレステロール | 0 | mg | ||||
脂質 | 0.1 | g | ||||
炭 水 化 物 | 利 用 可 能 炭 水 化 物 | 利用可能炭水化物(単糖当量) | 2.0 | g | ||
利用可能炭水化物(質量計) | 1.9 | g | ||||
差引き法による利用可能炭水化物 | 2.0 | g | ||||
食物繊維総量 | 1.1 | g | ||||
糖アルコール | – | g | ||||
炭水化物 | 3.0 | g | ||||
有機酸 | 0.3 | g | ||||
灰分 | 0.5 | g | ||||
無 機 質 | ナトリウム | 1 | mg | |||
カリウム | 200 | mg | ||||
カルシウム | 26 | mg | ||||
マグネシウム | 15 | mg | ||||
リン | 36 | mg | ||||
鉄 | 0.3 | mg | ||||
亜鉛 | 0.2 | mg | ||||
銅 | 0.11 | mg | ||||
マンガン | 0.07 | mg | ||||
ヨウ素 | 1 | μg | ||||
セレン | 1 | μg | ||||
クロム | 1 | μg | ||||
モリブデン | 4 | μg | ||||
ビ タ ミ ン | ビ タ ミ ン A | レチノール | (0) | μg | ||
α−カロテン | 1 | μg | ||||
β−カロテン | 330 | μg | ||||
β−クリプトキサンチン | 0 | μg | ||||
β−カロテン当量 | 330 | μg | ||||
レチノール活性当量 | 28 | μg | ||||
ビタミンD | (0) | μg | ||||
ビ タ ミ ン E | α−トコフェロール | 0.3 | mg | |||
β−トコフェロール | 0 | mg | ||||
γ−トコフェロール | 0 | mg | ||||
δ−トコフェロール | 0 | mg | ||||
ビタミンK | 34 | μg | ||||
ビタミンB1 | 0.03 | mg | ||||
ビタミンB2 | 0.03 | mg | ||||
ナイアシン | 0.2 | mg | ||||
ナイアシン当量 | 0.4 | mg | ||||
ビタミンB6 | 0.05 | mg | ||||
ビタミンB12 | (0) | μg | ||||
葉酸 | 25 | μg | ||||
パントテン酸 | 0.33 | mg | ||||
ビオチン | 1.4 | μg | ||||
ビタミンC | 14 | mg | ||||
アルコール | – | g | ||||
食塩相当量 | 0 | g |
水分補給効果
キュウリは約95%が水分で、天然のスポーツドリンクのような役割を果たします。夏の脱水症状予防に効果的です。
カリウム
100gあたり200mgのカリウムを含み、体内の余分なナトリウムを排出します。むくみ解消や血圧降下に効果があり、夏バテで疲れた体を回復させます。
ビタミンC
100gあたり14mgのビタミンCを含み、疲労回復や免疫力向上に役立ちます。夏の紫外線によるダメージから肌を守る効果もあります。
ビタミンK
血液凝固に必要なビタミンKを含み、骨の健康維持にも重要です。
食物繊維
水溶性と不溶性の両方の食物繊維を含み、腸内環境を整えます。夏場の食欲不振で乱れがちな消化機能をサポートします。
シリカ(ケイ素)
美容効果で注目されるシリカを含み、肌のハリやツヤを保つ効果があります。
ホスホリパーゼ
キュウリ特有の酵素で、アルコールの分解を助けます。二日酔い予防にも効果的です。
冷却効果
東洋医学では、キュウリは体を冷やす「寒性」の食材とされています。暑い夏に体温を下げる効果があります。
キュウリの歴史
キュウリには長い歴史があり、世界各地で愛され続けています:
- 古代からの歴史
- キュウリの原産地はインドのヒマラヤ山麓とされ、紀元前3000年頃から栽培されていました。古代エジプトでも栽培され、ピラミッド建設に従事した労働者の貴重な栄養源だったといわれています。
- 日本への伝来
- 日本には平安時代に中国から伝わり、当初は「黄瓜(きうり)」と呼ばれていました。これは完熟すると黄色くなることから名付けられました。江戸時代には庶民の間で広く栽培されるようになりました。
- 世界での普及
- キュウリは古代ギリシャ・ローマ時代にも栽培され、美容や健康に良いとされていました。中世ヨーロッパでは修道院の菜園で栽培され、その後世界各地に広がりました。
- 現代の品種改良
- 現在では世界中で1000種類以上の品種が栽培されており、日本でも地域特有の品種が数多く開発されています。近年では、苦味が少なく食べやすい品種の開発が進んでいます。
夏バテ防止に効果的なキュウリレシピ
1. キュウリとわかめの酢の物

材料(2人分)
- キュウリ:2本
- 生わかめ:50g
- 塩:小さじ1
- 酢:大さじ2
- 砂糖:大さじ1
- 醤油:小さじ1/2
- 白ごま:適量
作り方
- キュウリは薄切りにして塩を振り、10分ほど置いて水気を絞ります。
- わかめは食べやすい大きさに切ります。
- 酢、砂糖、醤油を混ぜ合わせて酢の物の合わせ酢を作ります。
- キュウリとわかめを合わせ酢で和えます。
- 器に盛り付けて白ごまを散らして完成です。
さっぱりとした味わいで食欲がない時でも食べやすく、酢の疲労回復効果も期待できます。わかめのミネラルも夏バテ防止に効果的です。
2. 叩きキュウリのピリ辛和え

材料(2人分)
- キュウリ:3本
- 塩:小さじ1
- ニンニク:1片
- 醤油:大さじ1
- 酢:大さじ1
- ごま油:大さじ1
- 豆板醤:小さじ1/2
- 白ごま:適量
作り方
- キュウリは麺棒で叩いて一口大に割り、塩を振って10分置きます。
- ニンニクはみじん切りにします。
- 醤油、酢、ごま油、豆板醤、ニンニクを混ぜ合わせてタレを作ります。
- キュウリの水気を絞り、タレで和えます。
- 器に盛り付けて白ごまを散らして完成です。
中華風の味付けで、ピリッとした辛さが食欲を刺激します。叩くことでタレが染み込みやすくなり、食感も楽しめます。
3. キュウリの冷製スープ

材料(2人分)
- キュウリ:2本
- 玉ねぎ:1/4個
- 牛乳:200ml
- 生クリーム:50ml
- コンソメ:1個
- 塩:少々
- 白胡椒:少々
- ディル:適量
作り方
- キュウリは皮を剥いて種を取り、粗く切ります。
- 玉ねぎは薄切りにして水にさらし、辛味を抜きます。
- キュウリと玉ねぎをミキサーに入れ、牛乳、コンソメを加えて撹拌します。
- 裏ごしして滑らかにし、生クリームを加えて混ぜます。
- 塩と白胡椒で味を調え、冷蔵庫で冷やします。
- 器に盛り付けてディルを飾って完成です。
暑い夏にぴったりの冷たいスープです。キュウリの水分と栄養を効率よく摂取でき、上品な味わいで食欲がない時でも飲みやすいです。
番外編:キュウリの美容効果
キュウリは食べるだけでなく、美容にも効果的です:

キュウリパック
薄切りにしたキュウリを顔にのせるキュウリパックは、昔から美容法として親しまれています。ビタミンCとシリカが肌にハリを与え、冷却効果で毛穴を引き締めます。

キュウリ水
キュウリをスライスして水に浸けたキュウリ水は、デトックス効果があります。レモンやミントを加えると、より飲みやすくなります。

目の疲れに
冷やしたキュウリのスライスを目の上にのせると、目の疲れやむくみを解消できます。パソコン作業で疲れた目にも効果的です。
キュウリの栽培豆知識
家庭菜園でキュウリを育てる方も多いでしょう。栽培のコツをご紹介します:
栽培時期
キュウリは温暖な気候を好み、4月下旬~5月上旬に植え付けるのが理想的です。夏の間は次々と収穫できます。
水やりのコツ
キュウリは水分を多く必要とするため、土が乾いたらたっぷりと水を与えます。特に実がなり始めたら、水切れに注意が必要です。
収穫のタイミング
開花から1週間~10日で収穫できます。大きくなりすぎると種が硬くなるので、20cm程度で収穫するのがベストです。
伊藤商店でキュウリを手に入れて、夏バテ知らずの体を作ろう!
キュウリは夏バテ防止に効果的な、まさに夏の救世主のような野菜です。みずみずしい食感と豊富な栄養で、暑い夏を元気に乗り切りましょう。
伊藤商店では、新鮮で美味しいキュウリを毎日取り揃えています。イボがしっかり立った新鮮なキュウリから、料理に使いやすいサイズまで、幅広く取り揃えています。野菜ソムリエの私が品質にこだわって選んだキュウリばかりですので、ぜひお店でお手に取ってみてください!
暑い夏こそ、キュウリの力で体をクールダウンさせて、健康的に過ごしましょう。シャキシャキの食感と爽やかな味わいで、皆様の夏の食卓がより豊かになることを願っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。また次回の夏野菜レポートもお楽しみに!
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