
こんにちは!東京・葛飾で四代続く老舗八百屋「FOOD PLACE ITO伊藤商店」の野菜ソムリエ、Mrs. Yukoです。
新鮮で美味しい野菜を皆さんにお届けすることをモットーに、栄養たっぷりのレシピや食べ方をご紹介させていただきます。
夏の代表的な野菜といえば、「大葉(しそ)」も欠かせません!あの爽やかな香りと独特の風味は、まさに夏の薬味の王様。刺身や天ぷら、冷奴など、様々な料理に添えるだけで、一気に味が引き締まります。実は栄養価も非常に高く、殺菌効果や食欲増進効果も期待できる優秀な薬味なんです。
今回は、新鮮な大葉の見分け方から保存方法、栄養価、そして大葉を主役にした美味しいレシピまで、大葉の魅力を余すところなくお伝えします。大葉の歴史についても触れていきますので、ぜひ最後までお付き合いください!
新鮮な大葉の見分け方
美味しい大葉を選ぶコツは、香りと見た目の鮮度を見極めることです。特に以下の4つのポイントに注目してみてください。
色合い
新鮮な大葉は、鮮やかな緑色をしています。黄色っぽくなっていたり、黒い斑点があるものは避けましょう。葉の表面にツヤがあり、裏面も美しい薄緑色のものが良品です。茶色く変色している部分があるものは鮮度が落ちています。
葉の状態
良い大葉は、葉にハリがあってピンと張っています。しなっとしていたり、葉先が丸まっているものは時間が経っています。また、葉脈がはっきりと見え、葉の表面に細かい毛(トライコーム)がしっかり生えているものが新鮮です。
茎の状態
茎の切り口が新鮮で、みずみずしいものを選びましょう。茎が黒く変色していたり、ぬめりがあるものは避けてください。茎がしっかりしていて、葉がしっかり付いているものが良品です。
香り
大葉の最大の魅力は、あの爽やかな香りです。パックを開けた瞬間に、強い香りが立つものが新鮮です。香りが弱いものや、嫌な匂いがするものは鮮度が落ちている可能性があります。
品種別の特徴と選び方
大葉には主に青しそと赤しそがあり、用途によって使い分けます。

青しそ(大葉)
- 一般的な大葉:薬味として最もポピュラー
- 穂じそ:花穂の部分で、より香りが強い
- 選び方:葉が大きく、色が濃い緑色のもの

赤しそ
- 本赤しそ:梅干しや漬物の色付けに使用
- 片面紅:表が緑、裏が赤い品種
- 選び方:赤みが濃く、葉にハリがあるもの
季節による選び方
- 春の大葉:香りが強く、薬味に最適
- 夏の大葉:葉が大きく、料理の具材としても使える
- 秋の大葉:実しそが楽しめる時期
大葉の保存方法
大葉は乾燥に弱く、適切な保存方法で美味しさを保つことが重要です。
短期保存(2〜3日)
茎を少し切り直し、コップなどに水を入れて茎を浸し、葉全体をビニール袋で覆って冷蔵庫で保存します。毎日水を替えることで、新鮮さを保てます。
中期保存(1週間)
湿らせたキッチンペーパーで大葉全体を包み、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。キッチンペーパーが乾いたら新しいものに替えましょう。
冷凍保存
洗って水気を拭き取った大葉を、1枚ずつラップに包むか、冷凍保存袋に入れて保存します。凍ったまま刻んで薬味として使えます。約1ヶ月保存可能です。
乾燥保存
きれいに洗って水気を拭き取った大葉を、ネットなどに入れて風通しの良い場所で乾燥させます。完全に乾燥したら密閉容器で保存し、ふりかけや調味料として使用できます。
大葉の栄養と健康効果
大葉は小さな葉っぱながら、驚くほど豊富な栄養素を含んでいます。
成分名 | 値 | 単位 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
廃棄率 | 0 | % | ||||
エネルギー | 32 | kcal | ||||
130 | kJ | |||||
水分 | 86.7 | g | ||||
た ん ぱ く 質 | ||||||
アミノ酸組成によるたんぱく質 | 3.1 | g | ||||
たんぱく質 | 3.9 | g | ||||
脂 質 | ||||||
脂肪酸のトリアシルグリセロール当量 | Tr | g | ||||
コレステロール | (0) | mg | ||||
脂質 | 0.1 | g | ||||
炭 水 化 物 | 利 用 可 能 炭 水 化 物 | 利用可能炭水化物(単糖当量) | – | g | ||
利用可能炭水化物(質量計) | – | g | ||||
差引き法による利用可能炭水化物 | 1.0 | g | ||||
食物繊維総量 | 7.3 | g | ||||
糖アルコール | – | g | ||||
炭水化物 | 7.5 | g | ||||
有機酸 | – | g | ||||
灰分 | 1.7 | g | ||||
無 機 質 | ナトリウム | 1 | mg | |||
カリウム | 500 | mg | ||||
カルシウム | 230 | mg | ||||
マグネシウム | 70 | mg | ||||
リン | 70 | mg | ||||
鉄 | 1.7 | mg | ||||
亜鉛 | 1.3 | mg | ||||
銅 | 0.20 | mg | ||||
マンガン | 2.01 | mg | ||||
ヨウ素 | 6 | μg | ||||
セレン | 1 | μg | ||||
クロム | 2 | μg | ||||
モリブデン | 30 | μg | ||||
ビ タ ミ ン | ビ タ ミ ン A | レチノール | (0) | μg | ||
α−カロテン | 0 | μg | ||||
β−カロテン | 11000 | μg | ||||
β−クリプトキサンチン | 0 | μg | ||||
β−カロテン当量 | 11000 | μg | ||||
レチノール活性当量 | 880 | μg | ||||
ビタミンD | (0) | μg | ||||
ビ タ ミ ン E | α−トコフェロール | 3.9 | mg | |||
β−トコフェロール | 0 | mg | ||||
γ−トコフェロール | 0 | mg | ||||
δ−トコフェロール | 0 | mg | ||||
ビタミンK | 690 | μg | ||||
ビタミンB1 | 0.13 | mg | ||||
ビタミンB2 | 0.34 | mg | ||||
ナイアシン | 1.0 | mg | ||||
ナイアシン当量 | 2.4 | mg | ||||
ビタミンB6 | 0.19 | mg | ||||
ビタミンB12 | (0) | μg | ||||
葉酸 | 110 | μg | ||||
パントテン酸 | 1.00 | mg | ||||
ビオチン | 5.1 | μg | ||||
ビタミンC | 26 | mg | ||||
アルコール | – | g | ||||
食塩相当量 | 0 | g |
β-カロテン
100gあたり11,000μgと、野菜の中でもトップクラスの含有量です。体内でビタミンAに変わり、目の健康維持や皮膚の健康に効果があります。
ビタミンK
血液凝固に関与し、骨の健康維持にも重要な栄養素です。大葉は特に豊富に含んでいます。
カルシウム
100gあたり230mgと、野菜の中では非常に高い含有量です。骨や歯の健康維持に効果的です。
鉄分
貧血予防に効果的な鉄分も豊富に含んでいます。ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が上がります。
ペリルアルデヒド
大葉の特徴的な香りの成分で、強い殺菌作用があります。食中毒の予防効果が期待できます。
ロスマリン酸
抗酸化作用が強く、アレルギー症状の緩和や炎症の抑制に効果があります。
α-リノレン酸
必須脂肪酸の一種で、血液サラサラ効果や動脈硬化予防に効果的です。
大葉の歴史
大葉の歴史は古く、日本の食文化に深く根ざしています。
- 原産地と起源
- しそは中国南部からミャンマーにかけてが原産地とされ、縄文時代には既に日本に伝来していたと考えられています。遺跡からもしその種が発見されています。
- 平安時代の記録
- 平安時代の「本草和名」には、既にしその記録があり、薬草として利用されていました。当時は主に種子を薬として使用していました。
- 江戸時代の普及
- 江戸時代になると、薬味としての利用が一般化しました。特に刺身や寿司の普及とともに、大葉の需要が高まりました。
- 現代への発展
- 戦後、食の多様化とともに大葉の利用法も広がり、現在では様々な料理に活用されています。最近では、大葉を使った創作料理も人気です。
大葉を使ったおすすめレシピ
1. 大葉の天ぷら

材料(2人分)
- 大葉:20枚
- 天ぷら粉:100g
- 冷水:150ml
- 揚げ油:適量
- 天つゆ:適量
作り方
- 大葉は洗って水気をしっかり拭き取ります。
- 天ぷら粉と冷水を軽く混ぜ合わせ、衣を作ります。
- 大葉の裏面に衣を付け、170℃の油で30秒程度揚げます。
- 油を切って、天つゆで召し上がってください。
大葉の香りが口の中に広がる、夏にぴったりの一品です。
2. 大葉のジェノベーゼ風パスタ

材料(2人分)
- 大葉:30枚
- パスタ:200g
- にんにく:1片
- 松の実:大さじ2
- オリーブオイル:大さじ4
- 粉チーズ:大さじ2
- 塩:少々
- 黒胡椒:少々
作り方
- 大葉、にんにく、松の実、オリーブオイルをフードプロセッサーで撹拌します。
- 粉チーズ、塩、胡椒を加えて混ぜ合わせ、大葉ペーストを作ります。
- 茹でたパスタに大葉ペーストを絡めて完成です。
バジルの代わりに大葉を使った、和風ジェノベーゼです。
3. 大葉醤油漬け
材料(作りやすい分量)
- 大葉:50枚
- 醤油:100ml
- みりん:大さじ1
- 酒:大さじ1
- 砂糖:小さじ1
作り方
- 調味料を混ぜ合わせ、ひと煮立ちさせて冷まします。
- 清潔な容器に大葉を重ね、調味液を注ぎます。
- 冷蔵庫で半日以上漬け込んで完成です。
ご飯のお供や、おにぎりの具としても最適です。
番外編:大葉の活用術
大葉塩の作り方
乾燥させた大葉を細かく刻み、塩と混ぜ合わせます。天ぷらや焼き魚にかけると、風味が一層引き立ちます。
大葉オイルの作り方
清潔な瓶に大葉を入れ、オリーブオイルを注いで冷蔵庫で1週間寝かせます。サラダドレッシングやパスタに使えます。
大葉氷の作り方
製氷皿に大葉を1枚ずつ入れ、水を注いで凍らせます。飲み物に入れると、見た目も美しく香りも楽しめます。
大葉の花穂の利用
大葉の花穂は、刺身のつまや天ぷらにして食べることができます。プチプチした食感と強い香りが特徴です。
伊藤商店で大葉を手に入れて、夏の食卓を彩ろう!
大葉は夏の食卓に欠かせない、薬味の王様です。その爽やかな香りと豊富な栄養価で、料理の味を引き立てるだけでなく、健康効果も期待できます。保存方法のコツを覚えて、大葉の美味しさを存分に楽しんでください。
伊藤商店では、毎日新鮮で香り豊かな大葉を取り揃えています。朝採れの新鮮なものから、用途に合わせた様々な大きさのものまで、お客様のニーズに合わせて最適な大葉をご提案させていただきます。野菜ソムリエの私が自信を持って選んだ大葉ばかりですので、ぜひお店でお手に取ってみてください!
暑い夏こそ、大葉の香りで食欲を増進させ、健康的に過ごしましょう。薬味としてだけでなく、主役級の料理でも大葉の魅力を存分に味わってください。
最後までお読みいただきありがとうございました。また次回の夏野菜レポートもお楽しみに!