大葉 しそ

【伊藤商店の野菜ソムリエMrs.Yukoレポート】夏の代表的な野菜⑨大葉(しそ)

こんにちは!東京・葛飾で四代続く老舗八百屋「FOOD PLACE ITO伊藤商店」の野菜ソムリエ、Mrs. Yukoです。
新鮮で美味しい野菜を皆さんにお届けすることをモットーに、栄養たっぷりのレシピや食べ方をご紹介させていただきます。

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夏の代表的な野菜といえば、「大葉(しそ)」も欠かせません!あの爽やかな香りと独特の風味は、まさに夏の薬味の王様。刺身や天ぷら、冷奴など、様々な料理に添えるだけで、一気に味が引き締まります。実は栄養価も非常に高く、殺菌効果や食欲増進効果も期待できる優秀な薬味なんです。

今回は、新鮮な大葉の見分け方から保存方法、栄養価、そして大葉を主役にした美味しいレシピまで、大葉の魅力を余すところなくお伝えします。大葉の歴史についても触れていきますので、ぜひ最後までお付き合いください!

新鮮な大葉の見分け方

美味しい大葉を選ぶコツは、香りと見た目の鮮度を見極めることです。特に以下の4つのポイントに注目してみてください。

色合い

新鮮な大葉は、鮮やかな緑色をしています。黄色っぽくなっていたり、黒い斑点があるものは避けましょう。葉の表面にツヤがあり、裏面も美しい薄緑色のものが良品です。茶色く変色している部分があるものは鮮度が落ちています。

葉の状態

良い大葉は、葉にハリがあってピンと張っています。しなっとしていたり、葉先が丸まっているものは時間が経っています。また、葉脈がはっきりと見え、葉の表面に細かい毛(トライコーム)がしっかり生えているものが新鮮です。

茎の状態

茎の切り口が新鮮で、みずみずしいものを選びましょう。茎が黒く変色していたり、ぬめりがあるものは避けてください。茎がしっかりしていて、葉がしっかり付いているものが良品です。

香り

大葉の最大の魅力は、あの爽やかな香りです。パックを開けた瞬間に、強い香りが立つものが新鮮です。香りが弱いものや、嫌な匂いがするものは鮮度が落ちている可能性があります。

品種別の特徴と選び方

大葉には主に青しそと赤しそがあり、用途によって使い分けます。

青しそ(大葉)

  • 一般的な大葉:薬味として最もポピュラー
  • 穂じそ:花穂の部分で、より香りが強い
  • 選び方:葉が大きく、色が濃い緑色のもの

赤しそ

  • 本赤しそ:梅干しや漬物の色付けに使用
  • 片面紅:表が緑、裏が赤い品種
  • 選び方:赤みが濃く、葉にハリがあるもの

季節による選び方

  • 春の大葉:香りが強く、薬味に最適
  • 夏の大葉:葉が大きく、料理の具材としても使える
  • 秋の大葉:実しそが楽しめる時期

大葉の保存方法

大葉は乾燥に弱く、適切な保存方法で美味しさを保つことが重要です。

短期保存(2〜3日)

茎を少し切り直し、コップなどに水を入れて茎を浸し、葉全体をビニール袋で覆って冷蔵庫で保存します。毎日水を替えることで、新鮮さを保てます。

中期保存(1週間)

湿らせたキッチンペーパーで大葉全体を包み、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存します。キッチンペーパーが乾いたら新しいものに替えましょう。

冷凍保存

洗って水気を拭き取った大葉を、1枚ずつラップに包むか、冷凍保存袋に入れて保存します。凍ったまま刻んで薬味として使えます。約1ヶ月保存可能です。

乾燥保存

きれいに洗って水気を拭き取った大葉を、ネットなどに入れて風通しの良い場所で乾燥させます。完全に乾燥したら密閉容器で保存し、ふりかけや調味料として使用できます。

大葉の栄養と健康効果

大葉は小さな葉っぱながら、驚くほど豊富な栄養素を含んでいます。

β-カロテン

100gあたり11,000μgと、野菜の中でもトップクラスの含有量です。体内でビタミンAに変わり、目の健康維持や皮膚の健康に効果があります。

ビタミンK

血液凝固に関与し、骨の健康維持にも重要な栄養素です。大葉は特に豊富に含んでいます。

カルシウム

100gあたり230mgと、野菜の中では非常に高い含有量です。骨や歯の健康維持に効果的です。

鉄分

貧血予防に効果的な鉄分も豊富に含んでいます。ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が上がります。

ペリルアルデヒド

大葉の特徴的な香りの成分で、強い殺菌作用があります。食中毒の予防効果が期待できます。

ロスマリン酸

抗酸化作用が強く、アレルギー症状の緩和や炎症の抑制に効果があります。

α-リノレン酸

必須脂肪酸の一種で、血液サラサラ効果や動脈硬化予防に効果的です。

大葉の歴史

大葉の歴史は古く、日本の食文化に深く根ざしています。

原産地と起源
しそは中国南部からミャンマーにかけてが原産地とされ、縄文時代には既に日本に伝来していたと考えられています。遺跡からもしその種が発見されています。
平安時代の記録
平安時代の「本草和名」には、既にしその記録があり、薬草として利用されていました。当時は主に種子を薬として使用していました。
江戸時代の普及
江戸時代になると、薬味としての利用が一般化しました。特に刺身や寿司の普及とともに、大葉の需要が高まりました。
現代への発展
戦後、食の多様化とともに大葉の利用法も広がり、現在では様々な料理に活用されています。最近では、大葉を使った創作料理も人気です。

大葉を使ったおすすめレシピ

1. 大葉の天ぷら

材料(2人分)

  • 大葉:20枚
  • 天ぷら粉:100g
  • 冷水:150ml
  • 揚げ油:適量
  • 天つゆ:適量

作り方

  1. 大葉は洗って水気をしっかり拭き取ります。
  2. 天ぷら粉と冷水を軽く混ぜ合わせ、衣を作ります。
  3. 大葉の裏面に衣を付け、170℃の油で30秒程度揚げます。
  4. 油を切って、天つゆで召し上がってください。

大葉の香りが口の中に広がる、夏にぴったりの一品です。

2. 大葉のジェノベーゼ風パスタ

材料(2人分)

  • 大葉:30枚
  • パスタ:200g
  • にんにく:1片
  • 松の実:大さじ2
  • オリーブオイル:大さじ4
  • 粉チーズ:大さじ2
  • 塩:少々
  • 黒胡椒:少々

作り方

  1. 大葉、にんにく、松の実、オリーブオイルをフードプロセッサーで撹拌します。
  2. 粉チーズ、塩、胡椒を加えて混ぜ合わせ、大葉ペーストを作ります。
  3. 茹でたパスタに大葉ペーストを絡めて完成です。

バジルの代わりに大葉を使った、和風ジェノベーゼです。

3. 大葉醤油漬け

材料(作りやすい分量)

  • 大葉:50枚
  • 醤油:100ml
  • みりん:大さじ1
  • 酒:大さじ1
  • 砂糖:小さじ1

作り方

  1. 調味料を混ぜ合わせ、ひと煮立ちさせて冷まします。
  2. 清潔な容器に大葉を重ね、調味液を注ぎます。
  3. 冷蔵庫で半日以上漬け込んで完成です。

ご飯のお供や、おにぎりの具としても最適です。

番外編:大葉の活用術

大葉塩の作り方

乾燥させた大葉を細かく刻み、塩と混ぜ合わせます。天ぷらや焼き魚にかけると、風味が一層引き立ちます。

大葉オイルの作り方

清潔な瓶に大葉を入れ、オリーブオイルを注いで冷蔵庫で1週間寝かせます。サラダドレッシングやパスタに使えます。

大葉氷の作り方

製氷皿に大葉を1枚ずつ入れ、水を注いで凍らせます。飲み物に入れると、見た目も美しく香りも楽しめます。

大葉の花穂の利用

大葉の花穂は、刺身のつまや天ぷらにして食べることができます。プチプチした食感と強い香りが特徴です。

伊藤商店で大葉を手に入れて、夏の食卓を彩ろう!

大葉は夏の食卓に欠かせない、薬味の王様です。その爽やかな香りと豊富な栄養価で、料理の味を引き立てるだけでなく、健康効果も期待できます。保存方法のコツを覚えて、大葉の美味しさを存分に楽しんでください。

伊藤商店では、毎日新鮮で香り豊かな大葉を取り揃えています。朝採れの新鮮なものから、用途に合わせた様々な大きさのものまで、お客様のニーズに合わせて最適な大葉をご提案させていただきます。野菜ソムリエの私が自信を持って選んだ大葉ばかりですので、ぜひお店でお手に取ってみてください!

暑い夏こそ、大葉の香りで食欲を増進させ、健康的に過ごしましょう。薬味としてだけでなく、主役級の料理でも大葉の魅力を存分に味わってください。

最後までお読みいただきありがとうございました。また次回の夏野菜レポートもお楽しみに!

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